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前者は未開封新品、後者は盤共に非常に状態の良いでございますが解説に皺と傷みがございます。
現行のカタログは「リミックス・リマスター・ヴァージョン」で非常に音質が良くなっておりますが、あくまでリミックス。
「やはりオリジナル・ミックスではないと」という方々にお薦めでございます。
また、初回アナログ盤の再現を意識したかの様な厚紙によるしっかりとした作りの紙ジャケット仕様となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは初期名手揃い。
Tony Banks(Key、12-Strings Guitar、Vo、後にBankstatement、Strictly Inc)、Steve Hackett(G、後にGTR)、Peter Gabriel(Vo、Flute、Oboe、Tambourine、Bass Drum)、
Mike Rutherford(B、12-Strings Guitar、Bass Pedals、Cello、Vo、後にMike & the Mechanics)、Phil Collins(Ds、Per、Vo、後にBrand X)となります。
”Nursery Cryme”:
プロデュースはJohn Anthony(Van Der Graff Generator/Peter Hammill/Queen/Roxy Music/Affinity(名手Mo Foster在籍)/Home(名手Laurie Wisefield(Wishbone Ash)、Cliff Willams(AC/DC)在籍)/Al Stewart/Rare Bird等手掛ける)。
1971年8月2日~9月10日英国ロンドン”Trident Studios”での制作となります。
”Foxtrot”:
プロデュースはDavid Hitchcock(Camel/Caravan/Curved Air/East of Eden等手掛ける)とバンド自身。
1972年8月~9月英国ロンドン”Island Studios”での制作となります。
健康問題や音楽性の相違も絡み、ツアー活動に難色示していた名手Anthony Phillipsが脱退。また性格等の衝突からJohn Mayhewが解雇。
バンドは存続の危機に見舞われる事となります。
オーディション選考にて名手Phil Collinsを獲得。
(Phil Collinsがオーディション選考参加の為住所を訪ねると貴族様であるRutherford家邸宅(笑)。流石に面食らった模様。
執事に案内され選考時まで執事が運ぶ料理を食し、庭でプールで泳ぐというもの(笑)。されど抜け目のないPhil Collinsは他の候補者の試技を観察。
自身の選考時に生かし、見事に起用と相成った模様)
その後4人編成にて創作を開始するものの専任ギタリストの必要性を感じ、Mick Barnard(The Farm)を起用。
されどバンドの願望に合わず解雇。
その後雑誌での売り込み広告を見たバンドは、”Quiet World”での実績を考慮し名手Steve Hackett(ex-Quiet World)にアプローチ。
承諾を得て、加入と相成ります。
マネージメントは新体制確立後Genesisの順調さに確信を持ち、Lindisfarne/Van Der Graff Generatorのツアー企画に前座として起用。
ツアーにて好評を得るとバンドは創作を深化。
またマネージメントは新作制作を企画しバンドと調整に入る..............という経緯がございます.........................
さて”Nursery Cryme”。
名手Anthony Phillipsの残した素材や共にバンドとして確立した基礎音楽性を基に発展させた感のある作品。
名手Anthony Phillips在籍時前作にて初期Genesisとしての音楽性基礎が確立しているものの、名手Steve Hackettのクラシカル系基礎の巧みな演奏個性、音楽性の装飾性やメロディアスさ、
加えて名手Phil Collinsの細やかなシンバル・ワーク含めた巧みな演奏力がバンドに創作発展の自由を齎した感がございます。
また楽曲の構築が非常に巧みとなり更に躍動感とポピュラー感が加わっており、また演奏創作面の自由を得た事からPeter Gabrielの演劇性が音楽性に色濃く出ており、成功への第一歩を踏み出した感がございます。
名手Anthony Phillipsが指摘していた「バンド内に作曲者が多過ぎる」という不満がございましたが、それが今作では吉と出た感がございます。 構築性のある音楽性ではございますが、前述の「作曲者が多過ぎる」との事から来る非常に凝った音楽性。
構築性とは言えどバロック音楽的な過剰な装飾性を伴うものではございますが、ここが初期バンド個性の本格的な確立に繋がった感がございます。
リリース後は前作を凌ぐ好評を得て、英国ではセールス/チャート・アクション共に成功の足掛かりを掴む事となります。
また、ヨーロッパ圏では驚く程の好評。
イタリアでは4位という大成功を記録、バンドは音楽性に大きな確信を得る事となります。
この好評振りを鑑みマネージメントは新作制作のスケジュール調整に動く事となり、再びJohn Anthonyをプロデューサー起用となりますがますが、
マネージメント/バンド側とバンドの音楽性の有り方を巡って深刻な対立が生じ、降板。
(バンド自身をプロデュースに関与させる事が争点の感.....)
当時かの”Caraven”の成功作を手掛け音楽性に長け成功に導いたDavid Hitchcockを起用、バンドをプロデュース関与させる事で制作が始まる事となります.....................................
さて、”Foxtrot”。
前作で確立し成功を収めた音楽性を踏襲した感がございます。
されど前任名手Anthony Phillipsが指摘した「作曲者がバンドに多過ぎる」事を意識した創作の感。
Tony Banks:土台、Steve Hackett:装飾、Peter Gabriel:コンセプト/演劇性、Mike Rutherford/Phil Collins:ポピュラー/リズム面、と役割分担を図った感があり、
前作に比べて幾分音楽性がすっきりした感がございます。
また、当時のアナログ盤B面の殆どを使用した大作主義楽曲にバロック的な装飾性を集め、他は割とコンパクト目に音楽性を纏めた感がございます。
また、当時は控えめな貢献とも言われた名手Steve Hackett(アクの強い面々の中で個性を繋ぐ感が有り、バンドの統一感を担った感)の音楽個性が徐々に強まってきた感が有り、
楽曲内でも後のソロ作でのメロディ/フレーズが登場するだけでなく、Genesis~ソロでのライヴで定番となるクラシカル系ソロ”Horizons”(かの”Bach”の改作)が収録される事となります。
リリース後は英国で結構なヒット/チャート・アクションを記録。大好評と相成ります。
ヨーロッパ圏では前作以上の大好評でイタリアでは1位を記録。ヨーロッパ圏での確固とした地位を確立。
本格的に演劇性に打ち込み始めたPeter Gabrielのライヴ・パフォーマンスも非常な好評を得、ツアー活動も成功を収める事となります。
されど米国では前作同様チャート・インせず。
されど当時は英国を中心とした「アート/ロック・ブーム」の真っ只中。
注目を浴び始めていた事が有り、ラジオ放送向けのライヴ録音企画が持ち込まれる事となります。
マネージメントはライヴでの人気を鑑み企画を承諾致しますが、何せ”King Biscuit Flower Hour”用の録音。
録音の優秀さには定評のある技術者揃いの録音があり、様々なバンドが秀悦なライヴ盤をきっかけに米国での大成功を収めている事を更に鑑み、
初のライヴ盤制作を目論む事となります...................................
現在はこの旧リマスター紙ジャケット仕様盤は入手が困難となっております。
この機会に是非。